こんにちは、認知症看護認定看護師のヒッコリーです!
みなさん、最近しっかり眠れていますか? 「やることが多くて、つい夜更かししてしまう」「布団に入ってもなかなか寝付けない」なんて日が続いていないでしょうか。
実は、近年の研究で「睡眠不足は認知症のリスクを高める可能性がある」ということが分かってきて、とても注目されているんです。
「たかが寝不足」と侮ってはいけません。 今回は、なぜ睡眠がそれほど脳にとって大切なのか、そして今日からできる「質の良い眠り」のヒントをわかりやすくお話しします。
目次
寝ている間に脳は「ゴミ掃除」をしている

アルツハイマー型認知症の原因の1つとしてよく耳にするのが、「アミロイドβ(ベータ)」という物質です。これは、脳が活動したときに出るいわば「脳のゴミ」のようなものです。
健康な人でも毎日このゴミは作られるのですが、実は脳がこのゴミを外へ洗い流して(排出して)くれる最高の「お掃除タイム」があるんです。
それがズバリ「睡眠中」です!
私たちが深い眠り(ノンレム睡眠など)に入っているとき、脳の神経細胞はきゅっと縮み、細胞同士の隙間が広がります。そこを「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という透明な液体がサラサラと流れることで、日中に溜まったアミロイドβなどのゴミを効率よく綺麗に掃除してくれるのです。
逆に睡眠不足が続くとどうなるでしょうか?
掃除の時間が足りなくなり、脳の中にどんどんゴミが蓄積されていってしまいます。これが長年積み重なることで、将来的に認知症の発症リスクを高めてしまうと言われているのです。
例えば、下の図で示すと「N3」の睡眠の深さの睡眠が少ないと認知症リスクが高まると言われています。

健康な人の一晩の睡眠経過図 参照:日本睡眠学会
どれくらい認知症リスクが上がるの?

海外の25年間にわたる追跡調査では、50〜60代の時点で「睡眠時間が6時間以下の人」は、7時間眠っている人に比べて、将来認知症になるリスクが約30%も高くなるという結果が報告されています。
また、脳のゴミ(アミロイドβ)は、なんと発症する20〜30年も前から脳に溜まり始めていると言われています。
「高齢になってから睡眠に気をつければいいや」ではなく、40代・50代の現役世代のころから、しっかりと睡眠時間を確保することが、未来の自分の脳を守る最大の予防策になるんですね。
【注意点】ただ長く寝ればいいわけではない
「じゃあ、毎日10時間くらい寝れば安心だね!」と思ったそこのあなた。実はここに落とし穴があるんです。
実は、「ただダラダラと長く寝る(寝すぎる)」のも認知症のリスクを高めることが分かっています。
高齢になって日中の活動が減り、お昼もベッドでゴロゴロして夜も長く寝る……という生活を送っていると、睡眠のメリハリがなくなり、かえって睡眠の「質」がグッと下がってしまいます。
大切なのは、ダラダラ長く寝ることではなく、日中にしっかりと活動して「夜に深くぐっすり眠る(良質な睡眠をとる)」こと。目安としては、個人差はありますが、まずは6〜7時間程度のまとまった睡眠を意識してみましょう。
今日からできる!脳をスッキリさせる睡眠のコツ

睡眠の「質」を高め、脳のゴミ掃除をスムーズにするための、日常生活のちょっとした工夫をご紹介します。
① 朝起きたら太陽の光を浴びる
朝の光を浴びることで、脳の松果体というところに刺激がいくことで体内時計がリセットされます。
すると、その約15時間後に「眠気のホルモン(メラトニン)」が分泌され、夜に自然と深い眠りに入れるようになります。
② 日中に身体を動かす時間を作る
日中に散歩などの適度な運動をしたり、人と楽しくおしゃべりをして活動的に過ごすことで、程よい疲労感が生まれ、夜の「深い眠り」を作り出してくれます。
特におすすめは「朝散歩」です。朝に日の光を浴びて夜間のメラトニン生成を助け、かつ運動することで脳血流が改善するので、ダブルで認知症改善効果があります。
③ 昼寝をするなら「午後3時までに30分以内」
お昼ご飯のあとに猛烈に眠くなることありますよね。そんな時は我慢せず少し昼寝をするのがおすすめです。
ただし、30分以上寝てしまったり、夕方に寝てしまうと夜の深い睡眠に悪影響を与えてしまうので注意してください。
私もお昼寝をするときはベッドに入らずソファーや椅子で寝る・30分タイマーをセットして寝過ぎを予防しています。
④ ベッドに入ってからのスマホはNG
スマホの画面から出るブルーライトは、脳に「今は昼間だ!」と勘違いさせてしまいます。寝る前の1時間くらいからはスマホを置いて脳をリラックスさせてあげましょう。
また、脳には場所と行動を習慣づける作用があります。ベッドでスマホを使っていると脳が「ここは寝るじゃなくスマホを触る場所だ」と勘違いしてしまいます。
まとめ:睡眠は「未来の自分へのプレゼント」

「最近もの忘れが増えたかな?」と心配な方、もしかしたらそれは脳の疲れや、睡眠不足が原因かもしれません。
1週間程度は上記の習慣を実践し、質の高い睡眠をしっかりとれることで認知機能の改善につながります。
さらに、毎日しっかり眠ることは、その日の疲れをとるだけでなく、20年後・30年後の自分の脳を健康に保つための「最高の投資」になります。
ぜひ今夜は少しだけ早くベッドに入って、脳にたっぷり「ゴミ掃除」をさせてあげてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも、現場の視点から生まれたケアの知恵をたくさん用意しています。あなたの毎日に寄り添うヒントが、きっと見つかるはずです。
