みなさん、こんにちは!認知症認定看護師のヒッコリーです。
老後は趣味がある方がいいとは皆さん何となく理解されているとは思いますが、認知症予防に有効な趣味とそうでない趣味があるのはご存じでしょうか?
実は、ただ時間を潰すための趣味や、一人でじっとテレビを見続けるような受動的な活動では、脳への刺激としては少し物足りないのです。認知症を遠ざけるために本当に有効なのは、「段取りを考えること」「五感をフルに使うこと」「人とつながること」の3つが揃った趣味です。
今回は、私が専門職の視点から厳選した、今日から気軽に始められて脳が若返る「おすすめの趣味5選」をその理由とともにご紹介します!
① 料理

毎日何気なく行っている料理は、実は最高のリハビリであり、脳トレでもあります。
- 脳に良い理由: 「冷蔵庫の残り物で何を作ろう?」「これに火を通している間に、あっちの野菜を切って……」という段取りを組み立てるプロセスは、脳の機能をフル回転させます。指先を細かく使うことも、脳へのダイレクトな刺激になります。
- 今日からできること: 「きっちり一汁三菜を作らなきゃ」と構える必要はありません。普段作らない新しいレシピに挑戦してみたり、いつも食べているものにトッピングをひとつ乗せるだけで、脳は新鮮な刺激を受け取ります。最近は男性のお料理やお菓子作り教室も地域で開催されています。

料理は脳トレだけではなく、バランスの良い食事を摂れるというメリットもあります。
「人間の脳は食べたものでできている」ので、ビタミンや不飽和脂肪酸(お魚など)を自然と摂取できます。
個人的には一番おすすめの趣味になりますね。
② ウォーキング +「ながら散歩」

有酸素運動が脳の健康(特に記憶を司る『海馬』の維持)に良いことは、多くの研究で証明されています。
- 脳に良い理由: 足を動かして歩くだけでも脳全体の血流がアップしますが、さらにおすすめなのが「2つのことを同時に行う(デュアルタスク)」という方法です。体を動かしながら頭も一緒に使うことで、認知症の予防効果がさらに高まります。
- 今日からできること: いつものお散歩にちょっとしたゲームをプラスしてみましょう。「歩きながらしりとりをしてみる」「すれ違う車のナンバーの数字を足し算してみる」など、楽しみながら歩くのがコツです。一人だけではなく、家族や友人など誰かと一緒に歩くことも楽しく脳への刺激になり最高な趣味です。
③ 音楽

「音楽」は認知症になっても最後まで残りやすいと言われる「感情の記憶」に深くアプローチします。
- 脳に良い理由: 若い頃によく聴いていた曲を耳にすると、当時の思い出や風景、その時の気持ちまで鮮明に蘇ることがあります。これは実際の医療・介護現場でも「音楽療法」という立派な認知症ケアとして使われているアプローチです。また、歌うことで心肺機能が鍛えられ、脳への酸素供給も増えます。
- 今日からできること: 家事をしながら昔好きだった曲を流してみたり、お風呂の中でハミングしたりするだけでも十分な刺激になります。最近では、年配になってもカラオケグループで定期的に楽しんでいる方々をよく見かけますね。
④ 園芸・ガーデニング

意外に思われるかもしれませんが、植物を育てることは五感をフルに活用する素晴らしい趣味です。
- 脳に良い理由: 「新芽が出てきた!」「いつお水をあげよう?」と日々の変化に気づいたり、今後の育て方を考えたりすることで、「楽しい・嬉しい」という感情になり、脳の前頭葉が活発に働きます。また、土や植物に触れることでリラックス効果のあるホルモンが分泌され、ストレス解消にもつながります。
- 今日からできること: 広いお庭がなくても大丈夫です。ベランダでのプランター栽培や、お部屋の中に小さな観葉植物やキッチンのハーブ(バジルやミントなど)を置くことから、手軽に始めてみましょう。あなたの生活にちょっとした癒しと変化を与えてくれるはずです。
⑤ 仲のいい人とおしゃべり

実は、認知症を予防する上で最も重要な趣味と言えるのが「人と関わること」です。
孤独が認知症発症リスクを大きく高めることが近年の研究で明らかになっているからです。
- 脳に良い理由: 良い人間関係がストレスを和らげます。周りに悩みを相談出来たり、頼れる人がそばにいるだけで、その安心感から心が穏やかになります。また、人とのコミュニケーションは脳への良い刺激になります。誰かの話を聞いたり、自分のことを話している時は、脳がよく働いている状態なのです。
- 今日からできること: ご近所さんとの挨拶、お店の店員さんとのちょっとした会話、家族や友人への電話など、小さな関わりを大切にしてください。年配の方は地域の介護予防教室や、スポーツなどのコミュニティもお勧めです。認知症予防のために知識を付けたい方は、「認知症カフェ(オレンジカフェ)」などにふらっと立ち寄ってみるのも、新しい交流が生まれますよ。
「認知症カフェ」については下の記事で詳しく解説しているのでよかったらご覧になってください。
まとめ:楽しい習慣を作るのが一番
今回は5つの趣味をご紹介しましたが、一番大切なのは「やらなきゃ」と義務感を持つのではなく、「楽しい!」「心地いい」と感じることです。楽しいと感じたときに脳内に分泌されるドパミンなどの物質が、脳の神経細胞を元気にしてくれます。
まずは、今日からできそうなことを1つだけでも見つけてもらえたら嬉しいです。
あなたの毎日が、より笑顔で豊かなものになりますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも、現場の視点から生まれたケアの知恵をたくさん用意しています。あなたの毎日に寄り添うヒントが、きっと見つかるはずです。
