- アミロイドβがたまり始める”きっかけ”となる物質「ピーク1Aβ」が新たに見つかった
- 従来の薬は「たまった塊を取り除く」、今回は「たまり始める原因」を発見した
- マウスの実験結果が人間の脳でも効果があると裏付けられた
- 実用化はまだ時間がかかる→現在できる予防(食事・睡眠など)大切に
こんにちは、認知症看護認定看護師のヒッコリーです。
「将来、もし自分が認知症になったらどうしよう・・」 そんな不安をふと感じたことがありますよね?
そんな中、2026年7月19日、思わず前のめりになるニュースが発表されました。
国立精神・神経医療研究センターを中心とした日米の研究チームが、アルツハイマー病の原因物質「アミロイドβ」が脳にたまる”きっかけ”となる物質を発見したのです。まだ研究の途中ではありますが、近未来の認知症予防においては、とても大事な一歩なのでわかりやすくお伝えします。
アミロイドβって何?

アルツハイマー病の患者さんの脳には、「アミロイドβ」という異常なたんぱく質が積み重なった塊ができます。これが神経細胞を傷つけ、記憶障害など認知症の発症につながると考えられています。
このアミロイドβ、実は症状が出るよりずっと前、発症の約20年も前から、脳の中に少しずつたまり始めています。
40代・50代の頃から静かに始まっているかもしれない、と思うと他人事ではないと感じられますよね。
今回の「種の発見」は何がすごいの?

2020年代に入ってから軽度の認知症であれば、原因物質を除去する新薬(レカネマブ・ドナネマブ)が実用化されています。詳しくは↓の記事参照。
それらの薬と、今回の発見の違いを表にまとめてみました。
| 概要・疑問点 | レカネマブ・ドナネマブ | 今回の発見 |
|---|---|---|
| 何をするもの? | すでにたまった塊を取り除く | たまり始める“きっかけ”を突き止めた |
| 例えるなら? | たまったホコリをある程度掃除 | ホコリを発生させない空気清浄機 |
| 現在わかっていること | 進行を遅らせる効果 (18か月の投与で5~7か月の進行を遅らせる効果) | 「ピーク1Aβ」という物質の存在が認知症発症自体を予防する可能性 |
| 今の段階 | すでに点滴治療で使用されている 治療中にMRIなどで副作用確認要 | マウスと一部の人の脳で確認段階 今後の実用化に向けて研究開発中 |
研究チームは、加齢とともにアミロイドβがたまるマウスを使って実験しました。
3つの候補物質のうち1つを脳に注射したところ、アミロイドβの蓄積が急激に進むことがわかりました。この物質が「ピーク1Aβ」です。
さらに、アルツハイマー病で亡くなった方6人の脳からもこの物質が見つかり、それ以外の原因で亡くなった5人の脳からは見つからなかったそうです。マウスでの結果が、人の脳でも裏付けられた形になります。
つまり「ピーク1Aβ」は、アミロイドβがたまり始める”種”のような役割を果たしている可能性が高いということ。
この物質の働きを抑える方法が見つかれば、塊ができること自体を防ぐ、新しい予防法につながるかもしれません。
今後の研究への期待

ここは認知症看護看護師として、正直にお伝えしたいところです。
今回わかったのは「原因になりうる物質を見つけた」という段階です。
この物質を抑える薬が実際に開発され、私たちが使えるようになるまでには、まだ時間がかかるでしょう。
実用化直後は薬価が非常に高額であることが予想され、一般家庭に浸透するにはさらに時間を要すると想像します。
「すぐに使える予防薬ができた」わけではなく、「原因に近づく大きな手がかりが見つかった」というニュースです。
とはいえ、発症に至る”原因物質”を発見した研究として、今後がとても楽しみです。
今、私たちにできること

では、実用化されるまでに私たちができることは何でしょうか?
新しい研究の進展を期待しつつ、今できる予防もたくさんあります。
脳にたまるアミロイドβは、バランスの良い食事や、質の良い睡眠によって洗い流されやすくなることがわかっています。
例えば、ジャンクフードを食べずに野菜や魚を多めに摂る・心地よい枕やベッドに変えて毎日同じ時間に寝るなどの生活習慣を整えていくことで、若いうちから対策していけば約45%の認知症は発症予防できることがわかってきています。
認知症予防についての記事は複数書いています。↓の記事もよければご覧になってください。
最新の研究の進歩を楽しみにしながら、今日からできることを一つずつやってきましょう!
皆さんの毎日を、認知症看護認定看護師として応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも認知症に関する役に立つ記事を書いていますので、よかったらご覧になってください!
