みなさん、こんにちは!認知症認定看護師のヒッコリーです
「最近、人の名前がパッと出てこなくなったかも……」 「将来、認知症にならないか不安だな」
そんな風に感じることはありませんか?実は、私たちの脳の健康状態は、日々の「食事」と非常に深く結びついています。高価なサプリメントや特別な健康食品に頼らなくても、普段のスーパーでの買い物や毎日の食べ方を少し見直すだけで、将来の認知症リスクを劇的に下げることができるのです。
今回は、最新の医学研究データをもとに、100歳まで脳を若々しく守るための「4つの食事習慣」をどこよりも分かりやすく徹底解説します!今日からすぐにできる工夫もたくさんご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
目次
習慣1:これだけでリスク44%減!脳の老化を防ぐ「いろいろなものを食べる習慣」

「体にいい」とテレビで聞いた特定の食材ばかりを毎日食べ続ける「ばっかり食べ」をしていませんか?実は、どれほど健康に良い食材であっても、それだけに偏るとかえって栄養不足を招き、脳や体の衰えを加速させてしまいます。
脳を守るための大原則は、「バランスよく、いろいろな種類の食品を食べる」ことです。
国立長寿医療研究センターなどが実施した大規模な検証によると、次に挙げる「9つの食品群」を日頃からバランスよく食べる習慣があるグループは、そうでないグループに比べて、認知機能が低下するリスクが約44%も低いことが判明しました。
★意識して毎日網羅したい「9つの食品群」
- 肉類(豚・鶏・牛など、筋肉や脳の神経を作る大切なタンパク源)
- 魚介類(特にサバやイワシなどの青魚がおすすめ)
- 卵類(脳の伝達物質の材料になるコリンが豊富)
- 牛乳・乳製品(カルシウムだけでなく、認知機能維持に役立つ成分)
- 大豆・大豆製品(豆腐や納豆、植物性タンパク質)
- 緑黄色野菜(ほうれん草やトマトなど、抗酸化作用が高い野菜)
- 果物(ビタミンやミネラル、ポリフェノールが豊富)
- 海藻類(わかめ、ひじきなど、ミネラルや食物繊維が豊富)
- 油脂類(オリーブオイルや魚の油など、脳をスムーズに動かす良質な油)
日本の有名な疫学調査である「久山町研究」でも、「大豆製品、緑黄色野菜、海藻、乳製品を多く摂り、お米(炭水化物)を少し控えめにする食習慣」がある人は、認知症の発症リスクが明らかに低いことが報告されています。

上記の全てを守る必要はありません。今日のご飯を振り返って、「あ、今日は海藻を食べていないな」「お肉ばかりで魚が足りなかったな」とパズルのようにピースを埋めていく感覚で、毎日の献立を少しだけ気を付ける習慣をつけましょう。
習慣2:脳のゴミを排出する「糖質と塩分をコントロールする習慣」

普段の食事の味付けや、主食の量にも注意が必要です。脳に余計な負担をかけないために、「糖質」と「塩分」を控える習慣を身につけましょう。
① 糖質を控えて「脳のゴミ出し」をスムーズに!
白米やパン、甘いお菓子などの糖質を過剰に摂り続けて「Ⅱ型糖尿病」になると、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症になるリスクが跳ね上がります。 その理由は、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌され続けると、脳の有害なゴミ(アミロイドβなど)を掃除・分解するための酵素が、インスリンの処理で精一杯になってしまうからです。結果として、脳にゴミが溜まりやすくなってしまいます。
- 今日からの習慣: ご飯を完全に抜く必要はありません。まずは「いつもより二口分、ご飯を減らす」ことから始めましょう
- ベジファーストの習慣: 野菜やおかず、汁物を先に食べ、最後にお米を食べる「おかずファースト」を徹底するだけで、食後の血糖値の急上昇を抑え、脳への負担を減らすことができます。
② 薄味を意識して脳の血管を守る
塩分を摂り過ぎると高血圧を招き、脳の細かい血管にダメージを与えます。これが脳梗塞や脳出血を引き起こし、将来の「脳血管性認知症」の原因になります。 国を挙げて減塩政策(1日の塩分摂取量を6g以下に設定)に取り組んだイギリスでは、20年間で認知症の患者数が2〜3割も減少したという驚くべきデータが報告されています。
- 今日からの習慣: 私たち日本人の平均塩分摂取量は約10gと、理想とされる「6g未満」を大きくオーバーしています。みそ汁には減塩のみそを使用する、お惣菜のタレをかけすぎないなど、少しの薄味を習慣にするだけで脳の血管を守ることができます。
習慣3:年齢に合わせて食べ分ける!「年齢に応じた食事量に調整する習慣」

「体にいい食事」の基準は、実は年齢によって変わることをご存知でしょうか?自分の年齢に合わせた食事のボリュームに調整する習慣をもちましょう。
◆ 50代・60代(中年期):カロリーを控える「腹八分目の習慣」
この年代は、代謝が落ちる一方で、ついつい食べすぎてしまい、肥満や生活習慣病になりやすい時期です。カロリーや糖質の摂り過ぎには特にブレーキをかけましょう。 あえて少しだけ摂取カロリーを抑え、「腹八分目」を心がけることで、細胞の老化を防ぎ、脳を認知症から守ってくれる「サーチュイン遺伝子(通称:長寿遺伝子)」のスイッチがオンになります。 「もう少し食べたいな」と思ったその瞬間が、箸を置く絶好のタイミングです。
◆ 70代・80代(高齢期):低栄養を防ぐ「しっかり栄養を摂る習慣」
ところが、70代を過ぎて高齢期に入ると、目指すべき方向が変わります。年齢とともに消化吸収の力が衰え、食事量が減ることで「低栄養」状態(フレイル)に陥るリスクが高まるからです。 体が低栄養になると赤血球が減り、脳に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなって、かえって認知機能を低下させてしまいます。 高齢期に入ったら、無理なダイエットやカロリー制限は禁物。「毎食しっかり、バランスよく栄養を摂る」ことを最優先にしてください。
習慣4:世界が認めるメニュー!「脳にいい3つの食事スタイルを選ぶ習慣」

「具体的に、毎日どんなメニューをベースにすればいいの?」という方に向けて、世界中の医学研究で認知症予防の効果が証明されている、代表的な3つの食事スタイルをご紹介します。これらを日々の献立に取り入れる習慣を作っていきましょう。
① 日本の伝統「一汁三菜の和食」

魚、野菜、海藻、大豆製品などをふんだんに取り入れる伝統的な和食は、脳を酸化や炎症から守る最強の食事法です。東北大学の研究によると、和食を好んでよく食べる高齢者は、そうでない人に比べて認知症の発症リスクが20%も低下したという結果が出ています。主菜には、脳の神経細胞を活性化させるDHAやEPAが豊富なサバ、サンマ、イワシなどの青魚を取り入れる日を増やす習慣がおすすめです。
② 世界保健機関(WHO)も推奨する「地中海食」

イタリアやスペインなど、地中海沿岸の国々の食事スタイルです。オリーブオイルを多く使い、魚介類、ナッツ類、トマトなどの野菜を多く摂るのが特徴です。アメリカで行われた研究では、地中海食をしっかり実践している人は、アルツハイマー病の発症リスクが40%も低下したと報告されています。 普段使う料理の油をサラダ油からオリーブオイルに変えたり、おやつ代わりに素焼きのナッツを少しつまむだけでも、手軽に地中海食のエッセンスを取り入れる習慣がつくれます。
③ 高血圧を徹底的に防ぐ「DASH(ダッシュ)食」

アメリカで開発された高血圧予防のための食事法です。塩分を控えるだけでなく、体内の余分な塩分を排出してくれるカリウムや、マグネシウム、カルシウム、食物繊維が豊富な「野菜・果物・豆類」を積極的に摂り、肉の脂身などの飽和脂肪酸を控えます。脳血管のトラブルからくる認知症を防ぐために、非常に即効性と効果が高い食事スタイルです。
プラスα:何を食べるかと同じくらい大事!「よく噛んで食べる習慣」
最後に、メニュー選びと同じくらい大切な「食べ方(噛み方)」についての習慣です。
食事を摂るときは、ぜひ意識して「よく噛んで」食べることを習慣にしてください。よく噛むという行為そのものが、脳の記憶力の司令塔である「海馬(かいば)」という部位をダイレクトに活性化させることがわかっています。
海馬は、日々の記憶を一時的に保管し、長期記憶として脳に定着させる大切な場所です。「最近、物忘れが多いな」と感じる場合、この海馬の働きが鈍っている可能性があります。 ある研究では、高齢者がたった2分間ガムを噛むだけで、その直後の記憶力テストの成績がアップしたという驚きの報告もあるほどです。

よく噛んでゆっくり食べることは、満腹中枢を刺激して食べすぎ(カロリー過剰)を防ぐだけでなく、食後の血糖値の急激な上昇を抑えて糖尿病を予防することにもつながります。一石二鳥、三鳥ものメリットがある「よく噛む習慣」をぜひ今日のご飯から意識してみましょう。
まとめ:明日からの買い物と食事を変えよう!
今日ご紹介した、脳を若々しく保つためのポイントをまとめます。
- 特定の食材に偏らず、9つの食品群をバランスよく食べる習慣
- ご飯は少し控えめに、「おかずファーストで血糖値を守る習慣」
- 50〜60代は腹八分目、70代以降は「年齢に応じた量に調整する習慣」
- 和食や地中海食を意識し、食事の時は「よく噛んで食べる習慣」
どれも、特別な道具や高いサプリメントは必要ありません。スーパーでの食材選びや、日々の食事のちょっとした意識改革で今すぐ始められることばかりです。
我々の脳を作るのは、あなたが「今日、口にするもの」です。ぜひ、美味しく楽しく、脳にいい食習慣を続けていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも、現場の視点から生まれたケアの知恵をたくさん用意しています。あなたの毎日に寄り添うヒントが、きっと見つかるはずです。
